2020年10月上旬。



とうとう20年前くらいに九州の百名山を制覇していた時に登った

由布岳に再挑戦する日がやってまいりました。





春から10本の山を登ってやっとこのスタート地点に

着くことができました。



豊後富士と呼ばれる湯布院のシンボル的存在の美しい山ですが

たしかに20年前に登った時はけっこうきつくて

上の方に怖い場所があった記憶があります。



でも低山ながらコツコツと登って身体を馴らしていたので

やっと九州百名山(日本二百名山)の由布岳登山でございます。




まだ観光客のいない朝の湯布院の街を抜けて

定番の正面登山口からスタート。



人気の山で紅葉にはすこし早い時期だったけど

秋登山のハイシーズンでもあるため

すぐに駐車場が満車になるので平日のしかも

早朝に到着するように家を出ました。



駐車場に着くと無料のスペースは8割ほど

埋まってる状態。

(道を渡った反対には有料駐車場があるのでまだスペース的には余裕かな)


トイレもあって便利な駐車場なのですが

現在は故障のため使えないので行く人は注意だよ。




では靴も履き替えたし水も水筒に入れたので

あの頂(いただき)を目指して出発じゃーー。





到着時の気温は12度だったので

モンベルのアウターを着てたけど歩き出して5分くらいで

脱ぎます。



最初の草原エリアを抜けて樹林帯へ入るところに

できれば小便以外は使いたくないトイレがありますが

これがラストのトイレなのでしっかりトイレの心配がある方はここで

終わらせておきましょう。




樹林帯は木漏れ日が気持ちよくて

ひんやりしてて快適。


しばらく登るとこんな押しあいこしてるみたいな

大きな岩がありました。




遠くから鹿の鳴き声がいっぱいします。

(由布岳も鹿の食害が深刻らしいです)




木漏れ日が心地いい樹林帯でしたが

思いのほかこれが長いのよ。



たしか先から見晴らしがよくなる記憶があるけど

樹林帯が延々とつづきます。



途中にある分岐の合野越のベンチで速乾Tシャツ1枚に。



登山でレイヤー調整で体温をコントロールすることは大事ですが

もう脱ぐもん無いぞ(笑)



気温も上がってるけど標高も上がってるので

朝と変わらないと思うのだけど

運動量が多いので汗が出ます。





そんな調整をしつつ頑張って登ってると

やっと樹林帯から出ました。



邪魔する木々が無くなったので

由布岳の山頂が見えました。




これを見て

もうここまで来たかと思うか

まだここ?と思うか人それぞれでしょう。



わたしは後者ですが・・・



そりゃ今まで登った山だととっくに山頂についてる感覚だもん。


しかし頑張って登った分だけ

景色もよくなります。



眼下のピラミッドみたいな飯盛ヶ城もあんなに

低いところにあるよ。



由布岳の登山道は樹林帯の途中からタマエと言う場所まで

ずっとつづら折れで登るスタイルで景色はいいもののあまり変化が無いので

精神的にちょっと辛い。



そのつづら折れも後半は急登になるので終わりかけていた足が

プルプル震える。



手にしてたストックも畳んで

両手で上の段の岩を掴みながら登らないといけない。



これがあと100mも続けば心が折れると思った時に

やっと「マタエ」に到着しました。




「マタエ」とは由布岳の

西峰と東峰のおっぱいの谷間(双耳峰の間って言えよ)ような

場所でここでほとんどの人は一旦休憩する場所だよ。



しかし休憩する場所でもあると同時に

選択する場でもあります。


実は由布岳の地図表記の1583.3mとは西峰を指してて

本来なら西峰一択なのでしょうが

ほとんどの登山客は東峰だけをめざします。



マタエから見る東峰へ登る登山道ですが

めっちゃ急登。


マタエまでのラストスパートで両手を使って登ってきた道より

急です。


それでもみんなこの東峰を目指すのは

西峰が怖いから。



由布岳は美しい形から豊後富士とも呼ばれるけど

富士山と同じく火山で山頂には火口の跡があるのです。



その火口の淵の絶壁の上が西峰なの。



マタエからその西峰の方を見ると・・・



↑ 矢印のところに人見える?(笑)


もう笑うしかないよね。



でもわたし前に来た時はちゃんと登ったのよ。



ソロなので何かあるといけないため

だれか先行者がいれば便乗しようと待ってると

みんな東峰の方へ行く中で2組くらいが西峰にトライ開始。



よし頑張ろう!


あ、ちなみに上の写真の岩の天辺をあるく人がいますが

ルート間違ってるからね(笑)


地震で崩落してる箇所があって下に迂回するルートがあるので

そっちを利用しましょう。




先行者が完全に登り切った事を確認してから

岩に取り付きます。

(落石とかあるから)




最初の鎖場を登ると西峰の一番の難所と言われる

障子戸と呼ばれる超怖い絶壁エリア。





崖を直に登った後に

足を掛ける場所がかすかにしかない岩を

横に歩かないといけない怖い場所。



鎖を持ってしっかり3点確保を心掛けてると大丈夫なんだけど

怖いもんは怖いよね。


先行してるピンクの服の女性は

ガイド役の男性から左足はそこで

右足は次の岩にかけんね~と半分怒られています。




やばい、こっちまで怖くなってくる。



無事に登り切ってガイド役の男性も登り始めたので

わたしもスタート位置に着きます。




みれば見るほど足がすくむけど

これこそが「登山」って感じ。


まぁ、これ以上になると

登山じゃなくてクライミングになっちゃうけどな。





まずは数段岩をよじ登ると垂直にあがるための

鎖が垂れてるのでそれを掴みますが写真はね~よ。



当たり前だろ。



垂直にあがるとそのまま横伝いの鎖に掴みかえて

カニの横這い。



足を掛ける場所を見るため足元を見るけど

絶壁も丸見えで超こえーー。



左腕の50肩がまだ完治してないとか

言ってらんね~よ。



その難所を越えると後は

スキップして登れるような道になります。




はい、夏前から今年中に由布岳に登ろうと思っていた

わたしの思いは叶いました。





「由布岳(西峰)1583m」

制覇ーー!





登頂した時は先行してた組がまだいたけど

由布岳の火口を一周するお鉢巡りと言う上級者ルートに行くらしく

見送った後は由布岳山頂を独り占めでございます。




三角点だって踏み放題。


さすが日本二百名山だけあって

三角点の標記もでっかい。



山頂から別府方面 ↓




別府八湯の源泉でもある

塚原火口も上から丸見えです。





九州ってほんと火山の国だね。




↑ 由布院方面。


こっちはお鉢の先に鶴見岳 ↓




お鉢巡りコースに行くとあの尖ったナイフリッジをつたい

ここまでの鎖場以上のデンジャラスな場所もあるので

この西峰までがやっとだったわたしには

もっと体力に余裕がある時じゃないと無理なコースだ。



わたしはここがゴールなので

誰もいない由布岳の最高峰でおべんとうをいただくよ。



いつものコンビニのおにぎりですが・・・


しかしどの山でも感じるけど

なんでこんなにおいしいんだろうね。



毎回山で食べると

コンビニのおにぎりがこの世で最高の物に感じちゃう。



食べ終わってそのまま岩に座っていたら

さすがに1500mを越える場所なので肌寒くなったため

そろそろ下山しま~す。




来た時と同じ鎖場を下りますが

ご安心を。



普通は下りの方が怖い事の方が多いのだけど

鎖にすべてを預けてしまうと逆に変な力も必要なくて

アスレチック感覚で楽勝なのですよ。



過信は禁物ですが鼻歌気分で下って

再びマタエまで戻ってきました。



マタエから今までいた西峰とお鉢巡りの稜線。



そこから右に視線をターンすると

東峰です。




20年前はこっちの東峰も登ったけど

戻りの体力を残しておかないと怪我にもつながるので

一番高い西峰に登ったって事で今日はこれで下山いたします。




下りは足を使い切ってるため

踏ん張りがきかない上に溶岩のコロコロした石や

浮石もあるので神経使います。


通常なら戻りの方が気分的に

もうこんなところまで戻ったの?ってなる事が多いけど

由布岳は逆。


つづら折れが長すぎて

全然進んでないような気分になっちゃうよ。



それでも高度が下がると

頂上からは霞んでいた風景もどんどんくっきり

見えるようになります。



樹林帯もなんとか抜けて

視界が開けたらスタート地点の駐車場はもうそこ。




ゴールが見えて気が緩むのもあるけど

もう足がガクガク。





そりゃひっくい山から登り始めて

半年もたってない初心者に限りなく近い

リターン登山者だから仕方ないか。



でもベテランもリターン者も関係なく

同じように雄大な景色をみせてくれた由布岳に感謝。




所要時間:6時間



一般の人の1.5倍の時間を喰いましたが

歩みが遅かろうが早かろうが登ったもんがエライ。



さぁ、次回は紅葉の山が見れると良いな。




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